2020年08月31日

作者一覧を発表いたします。

「かりんネット歌会2020 vol.6」

橘 まゆ  ハート岩ふたりでくぐった島旅の砂の足あとblueblueblue
竹村正一  ふるさとを捨てし旅人われなれや向かう三軒つき合ひ淡き
細井誠治  タレか塩か預けられたる判断に塩とし決めて旅のはじまり
東山研司  引出しの奥の旅券に刷られたるわれは無用となりしをしらず
篠原節子  ベトナムへ日々発着の爆撃機嘉手納の基地に見あげし旅よ
貝澤駿一  ホイッスル長く吹く夏オフェンスの旅を終えたるキーパーへ向け
蒼音    たましひの数だけ星は耀けり旅順に向けられし砲台
梅原秀敏  人生の旅の終わりはふるさとと帰り来たりし鮭のごとくに
鹿野暢子  東京の子・孫・夫に会ひたくも新幹線の旅は自粛と
東 洋子  旅人を待ち受けるごと竹藪に或る日電氣の燈る廢屋
コ力聖也  生活圏ばかり走りぬわが車遥かな旅路を知ることのなく
菊田知和  旅費の出る出ないで決めるあの人の土産はあまり期待してない
刀根卓代  初めての調査の旅に捕まりき地形図とふが機密なる国
山下騰子  セビリアの路地に迷ひて二人旅地図持つ君もスマホにらみて
辻 聡之  うつくしく生きてゆきたい夏の果て幻影旅団は火を囲みつつ
モロクラタマラ 国境は閉ざされたまま夏が来て赤い旅券は引き出しの奥
はまだもも 前の世は旅鳥だつたかもしれぬ山かぞへつつ南へ帰らむ
岡 公一  コロナ禍は旅から旅へと股旅の渡世渡りて疲れを知らず
遠藤由季  夏の陽を踏みつつ旅をすることもなく人間はもやしとなりぬ
ヨコタヒロユキ 連れ添えば近すぎて遠回りばかり君に咲く花数え直す旅
中山洋祐  旅の途中の川に拾った小石から水があふれる透明な夜に
日高雅彦  月見れば闇を旅するこの地球(ほし)の成れの果てかと思はるるかも
山口コ誠  皓々たる星空みあげ獅子(シーサー)は旅人(エトランゼ)の貌でしまにすわる
渡辺泰徳  空覆いつくして渡りし旅行鳩を絶滅させた人の業(ごう)はも
松村由利子 一人旅したい心を宥めつつ吹きこぼれぬよう茹でる素麺
夏目たかし 月面に立てし国旗のはためきてアポロは真に月に旅しか
大井 学  旅鼠駆けてゆきたり夏ゆうべわが影のびるその陰の上を
若槻真美子 問1の二人めぐり逢ふハーレクイン・ロマンスのやうな旅人算に
中野富美子 そのをみな紅き芋にて布を染め海に晒せり 我は旅人
中村暢夫  甲虫背負って歩く人たちが口笛を吹く旅の余興に
上條素山  日本のどこかに0.25倍速の〈いい日旅立ち〉流れてをりぬ
森田鞠子  煽られて細き付け火の刹那燃ゆ陸奥(むつ)の旅路に吾れを放てり
小松佳奈  お土産を置いてすぐまた旅立つというはやぶさ2を迎えにゆかむ
呉 肇樑  本持たず旅出るたのしみ歌を詠まむ出会う人々名も知らぬ草花
遠音    旅に生きし人の見し道直ぐなるをさみしきを追ふ月満ちぬまま
中村久美子 薄れゆく〈苦海浄土〉よ認定をうらやむ媼、旅人(たびと)にこぼす
石橋陽子  毎年のかりんの大会唯一の旅となりたる延泊をして

歌会ご参加(出詠・コメント・観覧)の皆様、ありがとうございました。
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9月のネット歌会につきましては、明日、ご案内いたします。
(現在の記事はあと一月ほど公開いたします)
posted by かりんネット歌会 at 21:12| Comment(7) | 作者・詠草一覧