1〜3番の歌にコメントお願いします。
1 「戦(いくさ)とは彼我の正義の相克」とヤン・ウェンリーは頭掻きつつ
2 急ぎ足で色づく街並み赤、黄色 めぐる季節の義理がたき秋
3 かみほとけ信じる主義です疑いを貫くぼくを信じないから
2025年12月18日
1〜3番
posted by かりんネット歌会 at 22:13| Comment(7)
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箴言的な言葉には十分納得できる。「頭掻きつつ」という結句はヤン・ウェンリーの人柄から来るものかもしれないが、歌に取り入れる作者の意図はどこにあるのだろう。ヤンは、調べると、田中芳樹さんのSF小説『銀河英雄伝説』の自由惑星同盟側の主人公(軍人)。正義を語ることへの照れやためらいなのだろうか。
対義語(信ずる・疑う)を駆使した作品。「疑いを貫くぼく」という、ややもってまわった裏返し的な言い回しだが、「自分を信じられないから=自分に自信がないから」とのわかりやすく限定的な言い方よりも、読みに拡がりがある。
今年の新語・流行語大賞で、「ニ季」という言葉がノミネートされた。温暖化で猛暑が秋になってもおさまる気配がない。そんな年が続く中でも紅葉色づく秋が申し訳無さそうに訪れ、冬にバトンタッチする。「昔はグラデーションのある日本の四季だったのに、今では……」なんて声が聞こえてきそうだ。
温暖化の影響で、今年は、秋が短かった
秋はくるのだろうか、心配したが、義理がたくやってきた
今年の秋の様子を的確に表現している短歌ですね
目に見えないものは信じるか信じないかは人それぞれですし、ご利益とかは抜きにして、自身の向上と、ご先祖への感謝を大切にするなら、こころの糧として「かみ・ほとけ」は有りだと思います。←個人的意見。
上句、下句の対比がとても面白い一首!
しばし解釈に悩みました。
何度か読んでいるうちに“かみほとけ“と平仮名表記にしているところに本音を感じ、"疑いを貫く"と言う強い表現に、逆説的にどんな時も周囲に流されたくないという作者の意志を示しているように思いました。
「ヤン・ウェンリー」は中国か韓国辺りの学者かと思ったのですが、小説の登場人物なのですね。けれど出典を知らずとも鑑賞できる歌になっていると思います。
台詞部分は学者らしい固い表現なのに「頭掻きつつ」言う辺りが、呆れたような、あるいは斜に構えたような気配が伺えて、テレビなどのコメンテーターとして発言する場面が浮かびました。
2 急ぎ足で色づく街並み赤、黄色 めぐる季節の義理がたき秋
「義理がたき」が少々説明的かなと思いましたが、長く続いた今年の猛暑の後にようやく訪れた秋に安堵した、そんな実感が表れているとも思いました。
「急ぎ足」は色づく様子だけではなく、その後に秋の素早く去ってしまう様子をも思わせます。
3 かみほとけ信じる主義です疑いを貫くぼくを信じないから
構成は巧みだと思いましたが、少々まどろこしく感じてしまいました。
個人的な意見ですが、幾重にもオブラートに包むような構成の場合は、実感などの人間としての気配も包み隠してしまうと、トリックに終始してしまうような味気無さを感じてしまいます。
結句が、字余りになってしまいますが「信じられないから」だったならば、人間味を感じて歌にもっと親しみがわいたと思います。