19〜20番の歌にコメントお願いします
19 だれももう渡ることなき跨線橋に最も青き月の降りくる
20 暗き森に菌類目覚め人間の最後の言葉を食らう月の夜
2025年11月18日
19〜20番の歌
posted by かりんネット歌会 at 00:00| Comment(8)
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廃駅なのでしょうか?凛とした冬の空気を湛えた無人の跨線橋を見つめる作者を想像します。
青い月(ブルームーン)は滅多にない奇跡的な事の象徴ともされるとの事で、作者の強い意志や決意が静かに心に響きます。
20 暗き森に菌類目覚め人間の最後の言葉を食らう月の夜
森のキノコのファンタジーな世界と同時に、実は地球上を支配している深遠なる菌類の世界を想起しました。月明かりに照らされる、どこか不気味なキノコのヌメヌメとした肌質がイメージされます。
愚かな人類の所業にひたひたと侵食し、いつしか腐敗と発酵のサイクルの中に飲み込んでゆく菌類の静かな営み。
それが月夜に淡々と行われている世界観に、背筋がゾワゾワしつつ共感します。
ひっそりとした跨線橋に青い月が「降りくる」。その月が最も青いと歌う。先般のスーパーブルームーンからの連想だろうが、実は青くはないので、その幻想性を生かしたものと解釈したい
もし人類が最終戦争などで滅ぶとしたら、そのあとの地球はどうなるのでしょうか。
樹々が再び地を覆うという説があり、この掲歌のように、菌類が目覚め、人類を飲み込むとすれば、恐ろしく、とある映画を思い出してしまいました。
おそらく、太陽が赤色巨星となる頃には、何も生命体の無い太陽系があるのかもしれません。
駅や道路の改装のために跨線橋が取り壊されるだけなのかもしれませんが、人間が一人もいなくなって、月に支配されている世界。
そう感じてしまうのも、続いて20番の歌があるからでしょうか。
つい19番の歌の続きとして鑑賞してしまいました。
人が渡る場所にもう人は来なくて月が降りてくる。ただ寂しい風景、というよりもルナティック。「最も」「降りくる」辺りの強い言葉がそう感じさせるのか。幻想的でSF的。続く20番の歌にも「月」が出てくるので、私もあづまさんと同じく続き物のように鑑賞してしまいましたので、ややそちらのイメージに引っ張られているのかもしれませんが。
「言葉を食らう」が怖い、同じ地球上にいても全く人間と相容れない感じが。
(菌類について私が思い出した作品はブラッドベリ原作で萩尾望都が漫画化した『ぼくの地下室へおいで』です、あれは怖い)
初句二句の断言は、取り壊しの決まっている跨線橋ということでしょうか。
「もっとも青き月」という言い回しに、懐かしさや感慨ではなく、もう後戻りできないようなひんやりとした気配を感じました。たとえば、もう二度とこの地に来ることはない、と決意したような。
20 暗き森に菌類目覚め人間の最後の言葉を食らう月の夜
人間が滅びた後の世界が浮かびました。もっとも弱き生物が、ひそやかにしたたかに生き延びた。
人間の身体ではなく言葉を食らうという言い回しにぞくりとなりましたが、さて、最後の言葉とは。月の夜に食らわれてしまうし、悲痛な、低温の言葉の気配がしますが、具体的な単語が浮かびませんでした。