2025年05月18日

1〜3番の歌

1〜3番の歌にコメントお願いします。

1 口下手の声に淀んでいた思い口先上手く茶化されている
2 茶臼岳顔面強打眼鏡飛ぶ脛の血ポタポタ三年前の恐怖忘れぬ
3 源平咲きの梅のかをりに涙して暗闇坂に茶蕎麦を啜る
posted by かりんネット歌会 at 00:00| Comment(9) | 詠草
この記事へのコメント
2番 上句の情報量の多さ。茶臼岳顔面強打眼鏡飛ぶ脛の血ポタポタ もう凄惨な現場でよく生還されました。よかったです。単語を重ねることで臨場感を出し簡潔に全てを表しています。ちょっと長いかもとも思いました。これは死の恐怖が読み手にも伝わるので、結句が恐怖でなくても良かったのでは、でも恐怖だしなあ。どう下山したのか、誰か周りにいたのか、さらに先を知りたくなりました。ともかくご無事でよかったです。
Posted by 服部明日檜 at 2025年05月22日 10:28
1 「口下手」と「口先上手」くの対句が面白いと思いました。告白のシーンだと想像します。やっとの思いで想いを伝えたのに茶化されてしまった切なさ。相手は照れ隠しの可能性もないとは言えません。だとしても茶化した後には誠意で答えて欲しいと思ってしまいました。
Posted by まれよ at 2025年05月22日 13:47
2番歌。服部さんと同様、結句の「恐怖」や「忘れぬ」はどちらかを省いて結んでも、言いたいことは伝わるように思いました。とにかく事実の力。名詞と擬態語で、じゅうぶん寒気がしました。顔面も脛もうつなど、よほどひどい転び方あるいは滑落をしたのでしょう。私もたまに登山をするので気をつけたいと思います。安全第一に楽しみましょう。
Posted by 田浦将 at 2025年05月22日 17:58
1. 「口下手」と「口先上手く」との対立に心理の微妙な動き、心の機微のやうなものを感じました。「淀んでいた思い」と「茶化されている」との対立にも同様な心の動きが捉へられてゐて印象的です。
二句の「に」は「にて」の意味合ひがあり、上句十七音と下句十四音の言葉の重みが均衡して、短歌構造的にバランスがとれてゐる点にも注目しました。
題詠「茶」で「茶化す」といふ動詞を想起する作者の心の位置や在り方も興味深いものがあります。
Posted by 吉岡健児 at 2025年05月23日 00:13
2 茶臼岳顔面強打眼鏡飛ぶ脛の血ポタポタ三年前の恐怖忘れぬ
    
 三句目までほぼ漢字で、そのごつごつした字面だけでなかなか迫力があって面白い。「眼鏡飛ぶ」に動きがあるのが良く、ユーモアもかもしだしている。ただ全体をみると、5・7・5・8・7・7と一句分多い三十九音となっている。上の句で十分作者の味わった怖さは伝わるので、下の句はもう少しソフトでいいだろう。
 私は無知で茶臼岳を知らずネットで調べてみた。栃木県の那須三山の主峰で1915メートル、九合目の山頂駅までロープウェイが通じているそうだ。遠足も多いとあるので、人気(ひとけ)はあるような気がするが、それでも山中でこういう怪我をした場合の恐怖というのはよく分かる。周囲に人がいない状況で額からの血が止まらず、自分で救急車を呼んだ経験があるので、ひとしおだ。
Posted by 鹿取未放 at 2025年05月25日 17:06
3 源平咲きの梅のかをりに涙して暗闇坂に茶蕎麦を啜る

近くの公園に、やはり源平咲きの梅があるのですが、紅白、とても不思議で、そうか、これを源平咲きというのか、と知りました。
茶蕎麦を啜るときの作者の感動が良く伝わってきます。
私も紅白の梅をいつまでも仰ぎ見ていました。
Posted by 蚫谷定幸 at 2025年05月26日 16:14
3 源平咲きの梅のかをりに涙して暗闇坂に茶蕎麦を啜る  

 源平咲きは色に特徴があるのに、かおりの方に涙するというのはどういう心境なのだろうか。どうして「涙して」という大仰な言い回しになるのだろう。そこに作者の言いたいことがあるはずなのだが、材料が多くて出にくかったようだ。2首に分けても良かったのではないだろうか。例えば、@暗闇坂を通った時に源平咲きの梅の花が咲いていた。Aその暗闇坂で茶蕎麦を食べた。みたいに。@のようにすれば、暗闇坂とマッチして、源平という歴史的な名称が深いところで十分に生きるような気がする。ちなみに、Wikipediaを見ると、暗闇坂は東京だけで7つもあるそうだが、ここはどこの暗闇坂であろうか。
Posted by 鹿取未放 at 2025年05月26日 22:23
1番歌 口下手の声に淀んでいた思い口先上手く茶化されている

一読してまるでドラマの一場面のような、すてきなお歌だなと感じました。
前評者の吉岡さんと、まれよさんのようにわたしも「口下手」と「口先上手く」の対句が印象的だと思いました。
そして「い」の音も、とても効いていて、きっと「淀んでいた思い」が通じていることを信じたいなと思いました。
Posted by 橘 まゆ at 2025年05月27日 12:07
1 口下手の声に淀んでいた思い口先上手く茶化されている

先のコメントの告白という解釈に、なるほどと思いました。
私の場合は、憂鬱な思いを言外に匂わせたところ、聞き手が、気を紛らわせてあげようとして茶化したのだと解釈しました。
「思い」の内容は具体的に描かれてはいませんが、この人に「思い」を真正面から受け止めてほしかった、という心情が伝わってきます。


2 茶臼岳顔面強打眼鏡飛ぶ脛の血ポタポタ三年前の恐怖忘れぬ

上の句の圧がすごいですね。人によって好みは分かれそうですが、リズムもよく、成功していると思いました。
「眼鏡飛ぶ」の直後の「脛の血ポタポタ」は、リズムを変えて倒置法にした方がメリハリが出るかもしれません。
皆さまも書かれていますが「恐怖」までは書かずに「三年前のこと」ぐらいにとどめた方が、助かった後も湧き上がる背筋の寒さが余韻として増幅されていくかと思います。


3 源平咲きの梅のかをりに涙して暗闇坂に茶蕎麦を啜る

「涙して」の理由は何かしら?と、歌の途中で立ち止まってしまいました。
個人的な思い出に根差した気持ちなのか、平家物語などに思いを馳せたのか。
下の句の内容も情緒がありますが、肝となる感動の理由を入れてもらえたら、と思ってしまいました。
Posted by 遠音 at 2025年05月30日 23:47
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