2024年01月18日

4〜6番の歌

4〜6番の歌にコメントお願いします。

4  悲を置きぬ 湯引きの鱧にねっとりのぬたをからめる七七日なり
5  こんな日は白菜豚バラ繰り返し無心に重ねてミルフィーユ鍋
6  朝なさな小さき畑より青菜摘み浮かばす味噌汁けふが始まる
posted by かりんネット歌会 at 00:00| Comment(6) | 詠草
この記事へのコメント
4 悲を置きぬ 湯引きの鱧にねっとりのぬたをからめる七七日なり

初句に、はっと胸を衝かれます。深い悲しみはいったん脇に置いておいて、日常の食事作りをしなければならないこと−−それも生きるうえでの「悲」なのかもしれないと思わされました。結句の「七七日」で状況はわかりますし、「ねっとり」からみつくのが悲しみのようでもあり、心に残る一首です。

5 こんな日は白菜豚バラ繰り返し無心に重ねてミルフィーユ鍋

好きな歌です。「こんな日」がどんな日かは示されていませんが、恐らく傷つけられたり落胆したり、というマイナスの感情がたまる一日だったのではないでしょうか。「無心に重ねて」がその想像を支えてくれます。気持ちを立て直そうとする作者の前向きな気持ちがリズムのよさからも感じられますし、「ミルフィーユ鍋」というやわらかな響きの名詞も、とても効果的に用いられています。

6 朝なさな小さき畑より青菜摘み浮かばす味噌汁けふが始まる

一つひとつの行為がとても丁寧に詠まれていて、作者の人柄、生き方が伝わってきます。「小さき畑」の慎ましさがいいですし、味噌汁に「浮かばす」というから、「青菜」は刻む必要のない、間引き菜かしら、とこれまた慎ましさを感じます。「朝なさな」の連続の中の「けふ」という一日の大切さが思われ、とてもよい歌だと感じ入りました。
Posted by 松村由利子 at 2024年01月20日 11:09
5 こんな日は白菜豚バラ繰り返し無心に重ねてミルフィーユ鍋

とくに「無心に重ねて」がいいなと思います。無心に重ねてゆっくり加熱することで、全体がやわらかくなると同時に、作者の心もきっとやわらかくなるんだなということが感じられます。
Posted by 中野富美子 at 2024年01月20日 21:55
4 悲を置きぬという初句に惹かれました。悲しみを一時期忘れるというのにこの様な美しい言葉があるのですね。作っている料理も鱧のぬた和えという渋いメニュー。個人が好きだった一品なのかもしれません。
また、結句を七七日としたことがとても良く、悲を置きぬが一層生きてくると感じました。
Posted by コ力聖也 at 2024年01月21日 23:32
4  悲を置きぬ 湯引きの鱧にねっとりのぬたをからめる七七日なり

「悲を置く」という表現を始めて知りました。ただ単に悲しみをこらえるということではなく、一旦悲しみを脇に置いて自分が生きることに努めてみる、とでもいうか、控えめでありながら何とも強い心を表す言葉のように感じます。それに「ねっとり」がぴったり寄り添っていますね。
Posted by 福島隆史 at 2024年01月25日 17:22
4  悲を置きぬ 湯引きの鱧にねっとりのぬたをからめる七七日なり

初句は「悲しみはさておいて」ではなく「悲しむのはやめて懐かしみましょう」なのだなぁ、と一読して思いました。
故人の思い出の料理でしょうか。亡き人が昇っていき遠くなる気配と、鱧の調理の生々しく濃密な様が、やわらかに生死の対比を成していると感じました。


6  朝なさな小さき畑より青菜摘み浮かばす味噌汁けふが始まる

さらりと巧まずに詠まれた日常が、万葉の頃ののびやかな気配があって惹かれました。
前日に何があったとしても、この味噌汁が一区切り。また新しい一日の始まり。
Posted by 遠音 at 2024年01月30日 02:26

「こんな日」と思ってしまう日でも「無心に重ね」る行為や「ミルフィーユ鍋」と体言止めで着地する点が心地よく感じられました。
四句目「無心に重ねて」の字余りは「重ね」とすれば七音になるところですが、ここでは二句目の字余りも相まって「重ねて」としたところのリズム感も好意的に読みました。
Posted by 古河惺 at 2024年01月30日 18:53
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