2020年09月30日

作者一覧を発表いたします。

「かりんネット歌会2020 vol.7」

かりんネット歌会
蒼音    偽りのおのれみせあふ居酒屋にクレモンティーヌがながれてをりぬ
石橋陽子  偽りはアバンチュールを引き寄せりディスコと食事これだけで終ゆ
梅原秀敏  ほんたうがほんたうでなし人の為となりうるだらう偽りのあり
遠藤由季  誤りではなく偽りであろうともポテトサラダのほのあたたかさ
大井 学  ここからは偽のサインだ首をふるピッチャーきみの眼が夏の陽だ
菊田知和  偽物に成り済ましている本物のフェイクニュースが見分けられない
久山倫代  孫われが継ぎたるルビー永遠に真偽は問わじ肌にかがやく
呉 肇樑  偽らぬことこそかたしこの世ではま白き木槿の大輪見つめ
小松佳奈  自らを偽ることも限界でワンサイズ上のジーンズ試す
篠原節子  偽情報とびかふ世なり髪に手に指に残酷なやさしさが染みつく
島本千代子 偽りの笑みもろともにきみは消ゆかぶりし仮面いくつも残して
竹村正一  偽りの弁明に似てひらひらと垣根を越ゆる黒揚羽かな
橘 まゆ  偽りの衣裳を脱いで歩みよるレオンと真澄の「牧神の午後」
辻 聡之  期待とか信頼だとか偽瓢虫(てんとうむしだまし)を指にあそばせている
遠音    四週のピルの最後の四粒は一度も飲まぬましろき偽薬
刀根卓代  昇汞剤を鎮痛剤と偽りて自殺させしとふ天皇の兵隊
中村暢夫  よくもまぁぬけぬけと言うどの口が言う人のためと言う偽り
中山洋祐  もう傷つけない偽物がいいレンタルの家族へ手渡すわたしのマニュアル
夏目たかし 猛暑にも兵糧攻めにも屈せずば偽薬以上に効く薬欲し
はまだもも 海底に膜張る青きブダイのごと今夜は眠らむ偽りまとひ
檜垣実生  時時は吾を偽るわれとなり溺れるように泣きたくなりぬ
東 洋子  聖家族とう偽りを置き去りて大工のおやこは川を渡りぬ
細井誠治  みづからのため偽りを立葵かさね重ねて去りゆくひとよ
松村由利子 図書室に夕陽差し込みあかあかと禁帯出の『約翰傳(ヨハネ伝)偽書』
光野律子  偽物の夜を過ごした日のありて椰子の葉擦れの音とマイタイ
宮崎 浩  モデルたち氾濫をせるSNS 偽キリストより被害あらずや
森田鞠子  「痛いのねそう痛いのね」うなづきそおつと偽薬ぬる窓にスズムシ鳴きそむるなり
モロクラタマラ 偽ものの恋をしていたその夏は電車に乗れない夢ばかり見て
山口コ誠  偽りの名にあらねどもミナミニセマグソコガネダマシ中空(なかそら)に生く
山下騰子  君となら素のままの我になれると偽りのない返書は今も
山田洋子  偽りも嘘も知らざる幼子は歯みがきのときいやいやをする
ヨコタヒロユキ 偽物の我の影踏む月曜日ありあけ月に見透かされつつ
吉岡健児 偽りのことばは真意の化粧かも黙し微笑むだけのくちびる
若槻真美子 貝煮るは残酷とふわが偽善者へ今宵たつぷりつぐ浅蜊汁
渡辺泰徳  かくれんぼする子らの横偽りの足音軽く帰宅したりき

歌会ご参加(出詠・コメント・観覧)の皆様、ありがとうございました。
この記事にはコメント欄を設けますので、言い残したことや感想などにお使いください。
10月のネット歌会につきましては、明日、ご案内いたします。
(現在の記事はあと一月ほど公開いたします)
posted by かりんネット歌会 at 21:50| Comment(10) | 作者・詠草一覧
この記事へのコメント
今回もお世話になりました。有難うございました。毎回のお題、本当に、凝り固まった頭をほぐさねばと思わせてくれます(なんだか、日能研のフレーズみたいですが、、、)。結局、固いままでしたが。
管理者の中山さん、辻さん、有難うございました。そして、また、よろしくお願い申します。
Posted by 刀根卓代 at 2020年10月01日 08:48
9月のネット歌会、中山さま 辻さま、
皆さま お世話になりました!
今回のお題「偽」は、非常に難しく、
詠草を提出するのに 数日かかりました。
ばたばたしていて 皆さまの作品への
コメントも できずじまいでした m(__)m
10月は がんばります(^-^)
Posted by 橘 まゆ at 2020年10月01日 12:57
楽しい時間をありがとうございました。皆様の歌そして歌評を拝見させていただいて勉強になりました。これからもよろしくお願い致します。
Posted by 梅原秀敏 at 2020年10月01日 17:36
皆さん、9月もありがとうございました!
「偽」は難しかったですね…。でも、普段サボっている脳の部位がちょっと目覚めた気もしました(笑)これからも難題を出すかもしれませんが、どうぞお付き合いください。
Posted by 辻聡之 at 2020年10月01日 19:04
辻さん、中山さん、ご参加の皆様、お世話様でした。また、ありがとうございました。
「偽」、難題でしたので、次回は、すんなり出来そうな題詠をよろしくお願い致します。
難題とすんなりが交互にあると、脳の活性化にも繋がるような気がします。
Posted by 石橋陽子 at 2020年10月01日 21:23
参加者の皆さま今回もありがとうございました。中山さん辻さんたへんお世話になりました
今月の題はとても難しく、つくづく難儀をいたしました
それだけにまたよい勉強になったように感じているところです
今後ともどうかよろしくお願いいたします


Posted by 細井誠治 at 2020年10月01日 21:54
中山様、辻様、皆様、今回もありがとうございました。
毎回とても勉強させていただいております。また、皆様のコメントを読むのが楽しみです。皆様の読みの深さに納得したり、自分の間違いに気付いたり、コメントにコメントしたくなることも多々あります!
次回のお題にも悩まされそうですが、よろしくお願いいたします。
Posted by 小松佳奈 at 2020年10月01日 22:16
運営の中山様、辻様、また参加者の方々、ありがとうございました。今回は多くのコメントをいただけて大変参考になりました。今後の作歌の励みになります。また他の方々の歌評も大変勉強になりました。今後も機会がある限り参加させていただきます。宜しくお願いします。
Posted by 蒼音 at 2020年10月02日 05:39
中山様、辻様、ありがとうございました。
今回も皆様の読みに学ばせていただき、目からうろこがたくさん落ちました。コメントへの「いいね」ボタンがあれば押す!などと妄想しつつ、楽しませていただいています。
Posted by モロクラタマラ at 2020年10月02日 07:53
ネット短歌会、中山様、辻様、大変お世話様になりました。
「僞」のお題、インパクト強く難しかったです。
 同じ歌が、読み手により様々な歌評を生みだす、つまり歌自身の持つ各人の心に違う感興を呼び起こす力に、面白さを感じさせられました。
皆様ありがとうございました。
Posted by 島本千代子 at 2020年10月02日 15:21
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