2020年08月19日

34〜37番の歌

34〜37番の歌にコメントをお願いします。

 34 本持たず旅出るたのしみ歌を詠まむ出会う人々名も知らぬ草花

 35 旅に生きし人の見し道直ぐなるをさみしきを追ふ月満ちぬまま

 36 薄れゆく〈苦海浄土〉よ認定をうらやむ媼、旅人(たびと)にこぼす

 37 毎年のかりんの大会唯一の旅となりたる延泊をして


posted by かりんネット歌会 at 00:41| Comment(9) | 詠草
この記事へのコメント
35番:「旅に生きし人」は誰なのかというのは完全に読み手の想像に任されている前提で。
私は西行か芭蕉か良寛を想像しながら鑑賞しました。
結句の「月満ちぬまま」が何とも言えない余韻を残しています。先人の後を追いたいと思っても、自分はやはり…というどこか満足していない感じが良いです。
二句目の「見し」は無くてもと思いました。「かの道」とかでも。
Posted by 東 洋子 at 2020年08月20日 23:50
36番:深い社会問題を取り上げている一首でした。
この媼が当事者なら、認定されるべき人が長期間放置されていたという大問題。
この媼が当事者でないなら、今なお苦しんでいる被害者を羨む→差別に直結することが容易に想像され、これも大問題。
いずれにしても苦海浄土は全くぜんぜん薄まっていないと思うのですが。
Posted by 東 洋子 at 2020年08月21日 23:32
34、本持たず旅出る、は本を持たず旅に出るとしたほうが歌の表現が落ち着くように思いました
ゆったりと豊かな心持ちで旅に出ようという作者の心情はよく伝わります
Posted by 細井誠治 at 2020年08月22日 22:06
36. お題「旅」から、石牟礼道子さんの「苦海浄土」水俣病を詠われるとは。作者の意欲を感じます。私の拙い言葉ではうまく言えませんが、リスペクト!
初句「薄れゆく〜」は、水俣病が過去の話になりつつあることを憂いている、と読みました。そしていまだ認定されない悲しみを旅人に聞かせている情景が胸をうちます。素晴らしいテーマですが若干わかりにくい気がします。最後の「こぼす」を「かたる」など平易な言葉のほうが良いようにも思いました。
Posted by 小松佳奈 at 2020年08月25日 08:24
35 旅に生きし人の見し道直ぐなるをさみしきを追ふ月満ぬまま
東さんが書いていらっしゃるように私も、「旅に生きし人」を西行、芭蕉と想像しました。西行や芭蕉が求めた「直ぐなる」道。しかし、孤独な「さみしき」旅でもあったと。それを「月満たぬまま」と表された。
 「直ぐなる」「さみしき」の言葉が絶妙で、とてもこの歌に惹かれました。
Posted by 山下騰子 at 2020年08月25日 17:27
34 本持たず旅出るたのしみ歌を詠まむ出会う人々名も知らぬ草花

作者の述べたいことはよく分かり、旅の本質というものに共感を覚えます。「旅出る」はやや舌足らずに感じますので、「歌を詠まむ」とせず、もっと「本を持たずに旅に出るたのしみ」に言葉を費やした方が、助詞も補えて意味がきちんと伝わるかな、と惜しまれます。下の句も欲ばらず、草花に絞るとより魅力的な歌になると思いました。


35 旅に生きし人の見し道直ぐなるをさみしきを追ふ月満ちぬまま

東洋子さんの評と大体いっしょです。作者の満たされない気持ちは伝わってくるのですが、「直ぐなるを」「さみしきを」と重ねるのもそれほど活きていないように思いました。


36 薄れゆく〈苦海浄土〉よ認定をうらやむ媼、旅人(たびと)にこぼす

「媼」は自分の住む地域では、認定されない不公平を「こぼす」ことができない、という重い現実が読まれています。結句の「こぼす」は、旅行者ならば本心を告げても危険ではないということで、軽さを装って話す心境が反映されているのではないかと読みました。ただ、私も最初に読んだとき小松佳奈さんと同様、違和感を抱いたのです。恐らく「苦界浄土」という上の句の言葉があまりに重厚で苦悩に満ちたものなので、「こぼす」では支えきれない、バランスの悪さが生じているのではないかと思います。なので、「苦界浄土」でなく、「水俣病」を持ってきた方がこの歌ではよいのかもしれません。
ともかく、着眼の鋭さ、「旅人」である必然が光る一首と思います。
Posted by 松村由利子 at 2020年08月28日 09:59
37、かりんの会員向けの一首ですが、結句「延泊をして」は大会や旅の気分が広がるようです。「延泊」という言葉は詩の言葉になり得ると思いました。
Posted by 上條素山 at 2020年08月29日 17:48
34 「旅出る」は省略しすぎ。「名も知らぬ草花」は漠然としているかも。
35 三句四句にもう一工夫かも。
36 初句「薄れゆく」のニュアンス、もっと伝わると良いか。
37 下句、「延泊=旅」の言い方、他にもありそうな。
Posted by 坂井修一 at 2020年08月31日 12:25
36:内容的にとてもいい歌になりそうです。個別にはみなさんが書かれた通りだと思います。「旅人(たびびと)」ですね。
Posted by 米川千嘉子 at 2020年08月31日 17:26
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