2020年06月18日

25〜27番の歌

25〜27番の歌にコメントをお願いします。

 25 陽と雨と降りまじる野のしずけさに狐はしらぬ家へ嫁ぎし

 26 降る月を頼りに終えた芋畝に丸きわが影 母かと惑う

 27 降れ降れと八代亜紀似の女将(ママ)の歌欲(ほ)りて惚れたか休業前夜


posted by かりんネット歌会 at 22:29| Comment(11) | 詠草
この記事へのコメント
碧野みちるです。よろしくお願い申し上げます。

25.「狐の嫁入り」の伝説を、作者の視点で再解釈した歌と取りました。童話的な読後感があり穏やかな印象で、野の風景描写も詰め込みすぎを感じないためゆったりと読み切れます。しかし、切れ味の鋭さや新しさはあまり見受けられないかと存じます。例えばテーマ連作のプロローグとして先頭に置くなどすると、この歌の良さが発揮されるのではないでしょうか。

26.一読して歌意も通りますし、はっとする印象を持ちました。しかし「降る月」という表現はかなりの無理がある印象です。「月」を「月光」や「月影」などにすれば違和感がなくなるかと思います。ただ、この上句から想起される景から、下句への展開は一字空けの「間」も相まってとても印象がよかったです。読後感の静けさが印象的でした。

27.コロナ社会情勢をふまえた歌と取りました。下句、特に四句目の言い回しは、音律的な美というより、言葉遊び感・ダジャレ感をおぼえてしまい、残念に思いました。八代亜紀似の女将の歌の特徴や、それに惚れてしまう作中主体の心の機微の方を知りたく思ってしまいます。
Posted by 碧野みちる at 2020年06月19日 01:32
25 陽と雨と降りまじる野のしずけさに狐はしらぬ家へ嫁ぎし

上句の言葉の斡旋に惹かれました。初句の「と」による並列、二句の複合動詞、そして三句目で聴覚への転換。何度読んでも素晴らしく、ここまでで完結したとしても私は好きです。さて、これを下句でどう展開させるかですが、狐の嫁入りのその狐の人生?に思いをはせたなかに、私は作者や、作者が見聞きした人間の人生が反映されているように思え、深さがあると思います。たった14音の中に籠めるのはむずかしいところを、最後、連体形止めをぎりぎり効かせてあると思いました。今回の中で一番好きな歌です。
Posted by 久山倫代 at 2020年06月19日 07:56
26 降る月を頼りに終えた芋畝に丸きわが影 母かと惑う
月の光を頼りに芋用の畝立てをされたのでしょうか。月の光に照らされたわが身の丸き影に気づき、亡き母とそっくりで、はっとされた気持ちを詠まれたのでしょう。ふとした弾みで母や父の面影に似ている自分に気づくことがしばしばあります。それを「降る月」「芋畝」「丸き影」の言葉が絶妙で、惹かれました。

Posted by 山下騰子 at 2020年06月19日 15:53
26 降る月を頼りに終えた芋畝に丸きわが影 母かと惑う

夜遅くまでかかり、畑の芋畝を作り終えた私。月明かりに、私の影が丸く落ちている。往年の母の姿と見紛うようだ。年を古り、すっかり母似になった私への感慨。働き者のところもしっかり似ている。
Posted by 中村暢夫 at 2020年06月19日 18:33
25
天気雨が降ると狐の嫁入りだ!と言ったものですが、その静かな野の情景が幻想的に浮かび上がり惹かれる歌でした。下の句には婚礼もしくは婚姻というものが潜在的にもつそこはかとない淋しさや悲しさを個人的に感じてますます素敵な歌だと思いました。
Posted by 光野律子 at 2020年06月20日 21:50
27 降れ降れと八代亜紀似の女将(ママ)の歌欲(ほ)りて惚れたか休業前夜
タイムリーな事象を上手く表した歌だと思います。四句目の「欲(ほ)りて惚れたか」は少々詰め込み過ぎの感あり。欲したこと、惚れたこと、どちらか一つにしてはいかがでしょうか。
Posted by 長山 弘 at 2020年06月21日 22:19
27番:ただ飲んでうたって浮かれているのかと思っていたら、最後の一句でシリアスな状況がわかりました。欲していたのは女将の歌というよりも、あの場の雰囲気そのものだったのでしょうか。
4句目が演歌調なのが最高です。八代亜紀似の女将のいるスナックですよ? ここで演歌のメロディを流さなくてどうするんですか。メロディが聞こえてくる一首っていいですね。
Posted by 東 洋子 at 2020年06月22日 23:47
25番:こちらは童謡のメロディを感じました。それも「十五でねえやは嫁にゆき」や「異人さんに連れられて行っちゃった」の哀し味の強いメロディが。この一首も含めての共通点は、女の子が運命に翻弄されてどこか遠くへ行ってしまうという展開でしょうか。
上の句の描写も素晴らしく、この点は前出で久山さんが詳細に書いておられる通りで、何も付け加えることはありません。
Posted by 東 洋子 at 2020年06月23日 00:08
27降れ降れと八代亜紀似の女将(ママ)の歌欲(ほ)りて惚れたか休業前夜

コロナ禍の今の状況を踏まえなくても読める歌ではあるが、作者は今を踏まえてのものだと思う。「八代亜紀似の女将(ママ)」とせず、「八代亜紀似のママの歌」で良いのでは?
休業前夜の一場面が面白く読まれていて、お店の一日も早い再開(=ママの歌を早く聴きたい)を願っている、思いのある作品と採りました。
Posted by 石橋陽子 at 2020年06月26日 23:44
27、欲りて惚れたかはどちらかひとつにした方がよいという長山さんのご意見に賛成します
下の句がやや詰まっている印象がありますので…
Posted by 細井誠治 at 2020年06月28日 07:01
25 「狐の嫁入り雨」。たいせつなのは、「しらぬ家」で、昔の見合い結婚を連想させる。三句「に」はこういうとき常套的に使う助詞。

26 「芋畝に」の「に」は少しうるさい。「芋の畝」ではダメだったか?

27 四句「欲りて惚れたか」が俗。
Posted by 坂井修一 at 2020年06月30日 03:58
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