2020年05月31日

作者一覧を発表いたします。

「かりんネット歌会2020 vol.3」

平山繁美  好きですを「嫌いじゃないよ」に言い換えた口にささめく酒を含ます
東山研司  野の墓に酒のひとすじひかりつつ「比島ニテ戦死」の字に染みゆきぬ
幸原千明  アラ還のわたしの酒に警報を鳴らす膵臓 青嵐の候
渡辺泰徳  真珠採りのタンゴ降るよな青空に岩田師想い酒汲む蟄居
山田公子  オンライン出来ない私は祭壇に供へし酒を亡き夫と飲む
コ力聖也  三人がふたりになりても変わらずに夜々に呑む酒遺影を前に
小松佳奈  短所さえ概ね愛する亡き父の酒弱きだけは似たくなかった
日高雅彦  「酒だ、酒、酒持って来い」の声がまた世界で聞けるときもあるらむ
鹿取未放  珈琲もお酒も嫌ひカウンターの隅に独りの貌したいけど
夏目たかし 新しき酒は新しき革袋に我の胸には啄木歌集
松村由利子 酌み交わす佳きひとときも禁じられ剣呑という酒ありしこと
上石隆明  ぬるき酒浮かんだ氷のひとかけらシュと息ふく生きるがごとく
山下騰子  緑道の野蒜引きぬき義母浮かぶ今宵の麦酒辛み噛みしむ
橘 まゆ  スケジュールまっさらないま漬けておく伯母のレシピのさくらんぼ酒
森田鞠子  乾杯はいちご酒らしスカイプに君のマメさを饒舌を知る
大渕まこ  辛口の麻婆豆腐に杏露酒あはする四月最初の金曜
呉 肇樑  今日ひと日思いめぐらし葡萄酒を「ショパンピアノソナタ第2」聴きつつ
のばらなほ 人生が旅なら我は巡礼か 君くれしカードは葡萄酒の差し入れ
遠音    葡萄酒色の封筒の黒き宛名切手を貼らぬままに封をす
光野律子  ネイティブしか居ない延辺料理店君につがれた白酒(パイチュウ)飲み干す
泉 真帆  傘立にもらふつもりの店先の紹興老酒の空甕も忌む
若槻真美子 モーツァルトを聴いた日本酒聴かぬだらう「夜の女王」をたぎるダムラウ
石橋陽子  歌会あと下戸なる我は二次会に日本酒をふるイカの丸焼き
貝澤駿一  髭の教授が憲法を説き蒸留酒のふかき眠りの大講義室
島本千代子 訪ひし学友の父は一升酒どんと置きたり激議の卓に
ヨコタヒロユキ 情けないことに泣けないわたくしをほぐせ安酒螺(つぶ)の甘露煮
久山倫代  きまじめな定家に麦の旨酒を身は御笠より八百の歳月
平井啓子  待ち待ちて二時間たった瀬戸駅に深酒の夫ひょろり降り立つ
竹村正一  くれなゐのチェリーブランデー下戸のわれ死と闘ひし学寮の酒宴
長山 弘  缶ビールまずゴクゴクと飲み そして 最後は残るわたしの酒量
吉村享子  肝臓を病み禁酒せし叔父の墓大吟醸を提げて訪ねき
岡 公一  コロナ禍に赤提灯も変わり行き時短で営業下町酒場
刀根卓代  専売公社と造り酒屋の間(あひ)に建つ母校の午後は奇しき香の中
江國 梓  シャッター街の歌舞伎町をゆく新亀を教へてくれし居酒屋はどこ
梅原秀敏  あれほどに嫌いし父の晩酌を懐かしんでる酒呑みの血が
遠藤由季  車窓から眺めることの減りたれば酒盗のようにくる夕暮れは
中山洋祐  酒焼けの老女の笑顔にみな笑う今夜しずかな春の角打ち
大井 学  マフラーを渡しそびれてそのまんま酒田の駅にはるのゆき輝る
東 洋子  おういおうい、夜の山より呼ばうこえ酒吞童子はかなしきおとこ
辻 聡之  ほんとうにかなしいときにマンモスはよぎったろうか酒井法子を

歌会ご参加(出詠・コメント・観覧)の皆様、ありがとうございました。
この記事にはコメント欄を設けますので、言い残したことや感想などにお使いください。
6月のネット歌会につきましては、明日、ご案内いたします。
(現在の記事はあと一月ほど公開いたします)
posted by かりんネット歌会 at 14:38| Comment(0) | 作者・詠草一覧
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