2020年05月18日

10〜12番の歌

10〜12番の歌にコメントをお願いします。

 10 新しき酒は新しき革袋に我の胸には啄木歌集

 11 酌み交わす佳きひとときも禁じられ剣呑という酒ありしこと

 12 ぬるき酒浮かんだ氷のひとかけらシュと息ふく生きるがごとく


posted by かりんネット歌会 at 20:26| Comment(3) | 詠草
この記事へのコメント
I番
どういう意味だろうと思いつつ何だかとても惹かれて票を入れました。

新しい葡萄酒を古い革袋に入れてはならじという言葉は、マルコ、ルカ、マタイの福音書にそれぞれの表現で書かれています。
収穫した葡萄を発酵させるときにパチパチあぶくが出て破けてしまうという例え話だと思います。
前後の文からすると、ファリサイ派の律法学者たちを意識したキリストの言葉だということになるようです。古い考えをもつ人たちに私の新しい信仰はうけとめられないだろう by イェズス ということかなと思いました。
歌に戻ると、短歌の世界においても現代短歌が出てきて、古い考えの人たちはうけとめられないだろう。
新しい葡萄酒は新しい革袋にしか入れられないように。
だけど私は近代短歌の啄木の歌集を大事に持ってるんです、という歌ではないだろうかと読みました。

聖書に即して読むとユダイズムと対立したキリスト教の構造になってしまいますが、この歌の場合はもしかしたらそこまで新旧の対立は意識してなくて、現代に生きてるけど、啄木が好きなんだ、というくらいなのかもしれません。

とても面白く読みました。
Posted by 光野律子 at 2020年05月19日 03:44
⓾ 新しき酒は新しき革袋に我の胸には啄木歌集

突として故事から始まり、オッと引き付けられました。一読したときは故事の意味と下の句が合わないような気がして違和感を感じましが、幾度も読み返すと、「新しい酒は新しい革袋に盛れ」そうはいうけれど古い啄木の歌は現在の新しい歌にも通じるところがある、私は古くても啄木の歌が大好きである、という歌と思いました。面白い取り合わせです。
Posted by 森田鞠子 at 2020年05月19日 14:44
11 酌み交わす佳きひとときも禁じられ剣呑という酒ありしこと

よくぞ見つけた銘柄「剣呑」。強炭酸のにごり酒らしく、ラベルに「吹き出し注意」とあり、強い刺激や取り扱いの危険性が名前の由来でしょうね。
剣呑たる時代の到来を予想だにしていなかったコロナ以前、「剣呑」で乾杯する楽しい場面もあったろう過去の日常を、アイロニカルに想起させます。
「佳きひととき」という柔らかな言葉運びや結句の手放し方など、力みのない詠いぶりに手練れの作品と感じました。
Posted by 若槻真美子 at 2020年05月22日 19:53
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