2020年05月18日

1〜3番の歌

1〜3番の歌にコメントをお願いします。

 1  好きですを「嫌いじゃないよ」に言い換えた口にささめく酒を含ます

 2  野の墓に酒のひとすじひかりつつ「比島ニテ戦死」の字に染みゆきぬ

 3  アラ還のわたしの酒に警報を鳴らす膵臓 青嵐の候


posted by かりんネット歌会 at 20:26| Comment(18) | 詠草
この記事へのコメント
1  好きですを「嫌いじゃないよ」に言い換えた口にささめく酒を含ます
 
友達以上か恋人同士か二人で飲んでいるのでしょうか。男性が女性にお酒はどうかと勧めている場面を想像しました。好きと単刀直入に言うのではなく「嫌いじゃない」と言っているところに二人の今後の進展を言っているようで、お酒も、あなたも嫌いじゃないと言われたような錯覚に陥ってさらにお酒を勧めている彼を想像しました。若い初々しい場面がほのぼのと漂ってきて好感を持ちました。
Posted by 山下騰子 at 2020年05月19日 08:40
I番 好きですを「嫌いじゃないよ」に言い換えた口にささめく酒を含ます

若い方の相聞歌で好感がもてるのは前評者と同じです。ただ、「ささめく」は平仮名だと普通の「酒(ささ)っぼい」たいう言葉ととれ、そういう言葉は聞いたことがないが?と思ってしまいます。「ささめく酒」となると意味がわからなくなります。
そこで、初音ミクの「ササメク」からの言葉と取りました。これは微笑む、とかそういう意味の言葉でしょうか?これだとニュアンスはわかるので、「ささめく」は、片仮名にした方がよいのでは?と思いました。
Posted by 幸原千明 at 2020年05月19日 09:04
1番への追加です。
以前は率直に「好き」と言ってくれていた恋人が、自分を焦らすように「嫌いじゃないよ」た言い換える、、愛しいが憎らしいその口に(口うつしを想像しましたが)酒を含ませる、という場面だと思います。
言葉は若々しいですが、場面は都々逸の世界のようで、いつの世も変わらないなぁなどの感想を持ちました。いい相聞歌だと思います。
Posted by 幸原千明 at 2020年05月19日 09:12
2.野の墓に酒のひとすじひかりつつ「比島ニテ戦死」の字に染みゆきぬ

戦死した家族、もしくは戦友の墓参り。「比島ニテ戦死」と書かれていることから、もしかしたらこの墓の下には本人の遺骨はないのだろうか。そんなことも考えてしまう。
フィリピンを漢字で書かれているところ(実際そうだったと思うのだが)などリアル感があると思った。
墓に酒や水をかける類型歌は多いと思うが、成功しているのではないかと思う。
Posted by コ力 聖也 at 2020年05月19日 16:00
2  野の墓に酒のひとすじひかりつつ「比島ニテ戦死」の字に染みゆきぬ

ドラマがある歌のように思えます。しかし少し物足らなさを感じたのは、「野の墓に」でしょうか。墓に酒をかけるような故人との関係、その酒の光を見つめる思い入れ、それにしては墓と主体との関係がうかがえるものがないので、通りすがりの墓のようにも思えてしまいます。「ひとすじひかりつつ」・・・そこにスポットをあてた効果は? 比島や戦死の暗さと現在との対比を出したかったのでしょうか。
Posted by 久山倫代 at 2020年05月19日 22:48
1  好きですを「嫌いじゃないよ」に言い換えた口にささめく酒を含ます

直接的では無い、それでも精一杯の愛の告白は、何気なさを装いつつも心臓バクバクだったことでしょう。「ささめく」の使い方は独自の工夫かと思います。
ふるえるような心の余韻が伝わって小さなさざ波を立てる(手に持つ)お酒、と受け取りました。
あるいは、「良く言ったな」とそっと祝うもう一人の自分のような心象とも。
主体はあくまで作者だと思いました。
平静を保とう、緊張で乾いた口を湿らそうとお酒を「呑む」のではなく、口に「含ます」、デティールに神経を使った表現だと思います。
Posted by 若槻真美子 at 2020年05月20日 00:20
2  野の墓に酒のひとすじひかりつつ「比島ニテ戦死」の字に染みゆきぬ

比島という具体的な地名が入っていることで、その場所の陽射し、蒸し暑さ、お墓に注がれたお酒の光、お酒が染みゆく様が、よりリアルな場面となって立ち上がってきました。そしてそこで亡くなった方の無念さ、訪れた方との関係などドラマを感じる歌だと思います。少しひっかかったのは初句で「野の」というと墓標のないお墓を想像してしまい、少しそれからの場面とそぐわないような気がしました。

Posted by のばらなほ at 2020年05月20日 16:42
1番:言ったのも酒を含んだのも本人として読みました。「含ます」自分の口を自分の身体とは別物のように扱っているのがいいです。
もっとしゃんと「好きです」って告れ!と励ましているのか、それとも、これ以上いらんこと言うな!と口封じをしているのか。
Posted by 東 洋子 at 2020年05月20日 20:50
1.簡単には好きと言わない小悪魔的な女性をイメージしました。「ささめく酒」は飲めば饒舌になれる酒?もしくは心の中では饒舌なのに…という意味にも感じました。「ささめく酒」を含んだ口はその後、好きと言えたでしょうか。素敵な相聞歌ですね。
Posted by 小松佳奈 at 2020年05月21日 00:46
2番:「野の墓」つまり、通りすがりの他人の墓と読みました。もしも普通の墓参りの歌だったら一票入れなかったかも。
たまたま行き会った古い墓をみると、ついさっき酒をあげました跡があり、その雫をたどっていくと「比島」の文字が… その時の心の動揺がこの一首になったのでしょうか。
また「野」の文字が、比島の野に倒れた兵士を想起させます。
Posted by 東 洋子 at 2020年05月21日 20:16
1 好きですを「嫌いじゃないよ」に言い換えた口にささめく酒を含ます

「交際もやぶさかでない」みたいな、ストレートでない言い方しかできない人、いますね。もっと素直になったらいいのに。お酒の力を借りてでも、次の一言だけは、びしっとキメましょう。ハイ・ファイ・セットの「素直になりたい」でも、BGMに流しながら。
Posted by ヨコタヒロユキ at 2020年05月21日 21:26
2 野の墓に酒のひとすじひかりつつ「比島ニテ戦死」の字に染みゆきぬ

どこか地方の集落の墓地にある墓石でしょう。墓参者が戦死者の好きだったお酒を墓石にかけたのが石に染み光っているのですから、かけてからそれほど時間がたっていないことを意味しています。「野の墓に」が一般化された表現のため傍観者の歌になっているとおもいます。作者と詠われている墓石との関係性は低いと感じました。
Posted by 平井啓子 at 2020年05月21日 22:22
2番
私も 皆さまがおっしゃっているように、
墓石と作者の関係性は薄いのではと、
思いました。
旅か何かで「此島」を訪れた作者が、
たまたま 目にした「野の墓」。
作者が戦死者への哀悼の気持ちを込め、
手持ちの酒を「野の墓」にかけてあげた。
もし 通りすがりのお墓に ひとすじ
光っているものがあるなら、それが
お酒だと判別するのは、難しいのかなと
思いました。水かもしれませんので。
「ひとすじひかりつつ」あるものは、
作者がみずから「野の墓」にかけてあげた
お酒だと 私は読みました。
お酒がひとすじに光りつたってきて、
「此島ニテ戦死」の文字へ「染みゆきぬ」
と着地する作りも 見事だと思いました。
Posted by 橘 まゆ at 2020年05月22日 10:04
3 アラ還のわたしの酒に 青嵐の候

還暦を間近に酒がこたえる。
「警報を鳴らす膵臓」という大仰な表現におかし味があり、季節は葉が若々しく茂る青葉の候、作者のまだまだというニュアンスが感じとれます。
Posted by 岸千代子 at 2020年05月22日 10:16
3、アラ還のわたしの酒に警報を鳴らす膵臓 青嵐の候

膵臓が取り出されて詠まれているようで驚きました。体の奥深くに動かず張り付いている臓器ですから、「警報を鳴らす」とはどういうイメージをもてばよいのか、少し困りました。何か自覚症状があり、それが「青嵐」にも繋がっていくのでしょうか。それとも、検査結果に「H」の印がついていたのを、作者が自由にイメージしたのでしょうか。いずれにしても、私は結句には不穏なものを感じました。
Posted by 久山倫代 at 2020年05月22日 21:58
2番歌 太平洋戦争さなか大本営は「比島作戦」と称し、多くの兵力・将兵を送り込み凄惨な戦いを続けた。墓に眠るひとはそんな戦いに倒れた方でしょう。霊園を訪れた作者はふと目にした墓石の〈比島ニテ戦死〉に心動かされ手を合わせたのかも知れない。ひとすじ光るものが酒であっかかどうかは…。作者はこの比島で戦死の人に酒を手向けたかったのかも?そして場面は〈野の墓〉でなくてはならないのです。
Posted by 山田公子 at 2020年05月25日 22:20
2番
すみません。「比島」の漢字を間違えて
いました。平日、朝ドラを視ていますが
主人公のモデルの作曲家 古関さんが、
「比島決戦の歌」をつくられていたそうです。どんなお気持ちだったのでしょうか。
Posted by 橘 まゆ at 2020年05月26日 00:06
1 好きですを「嫌いじゃないよ」に言い換えた口にささめく酒を含ます

意中の人から突然気持ちを問われ、とっさに素直でない答え方をしてしまった状況と読みました。しかし、そういう自分に対する悔恨というか「しまった!」という気持ちが下の句にはないところに物足りなさを覚えました。もう少し踏み込み、下の句を「口に含ます酒の苦かり」などとしないと、一首が完結しないような気がします。

2 野の墓に酒のひとすじひかりつつ「比島ニテ戦死」の字に染みゆきぬ

 詠まれている光景も、作者の心情もよくわかります。戦死者に飲ませたかったお酒が注がれた墓石、その無情が伝わってきます。ただ、上の句で「〜つつ」という継続、下の句で「〜ぬ」という完了が成功しているかどうか。結句は「染みゆく」とした方が余情が出るように思います。

3 アラ還のわたしの酒に警報を鳴らす膵臓 青嵐の候

意味はよくわかりますが、少し作りすぎた感じかな、と思いました。急性膵炎の痛みは非常に激しいものなので、「青嵐の候」などと悠長な結句でよいのかどうか…。
Posted by 松村由利子 at 2020年05月26日 14:38
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