2018年02月05日

選歌投票結果・全体的コメントのご案内

選歌投票結果  2月末に非表示にします。
 *作者名発表は全体的なコメント期間が終了した2月13日に行います。全体的なコメント、感想、および編集委員、選歌委員による評、助言はこの記事のコメント欄にお願いします。運営方法に関するご意見は詠草提出アドレスに送っていただいても結構です。個別の歌に対するコメントも書き加えていただけます。
では、よろしくお願いします。

1  わが頬をやさしくなでてゆく君の赤毛のしっぽ思いだす朝         2票
2  後期高齢通知その(一)汝はもう奔馬のごとく生きてはならまじ      2票
3  めでたくももの言わず暮れ正月の独りぼっちの月は明るい         4票
4  貧しさは富となるべし虚ろなる目を照らされる聖誕前夜          1票
5  「聖地」とか「巡礼」とか軽々と言っちゃうボクらのハッピークリスマス  2票
6  十か月経りきし父の退院日、今年最初の雨音をきく            1票
7  たあたたん落つる雫の音絶えず静かな静かな雪溶け始め          1票
8  耐えきれぬ 今のままでは耐えきれぬ その独善的で虚ろなる存在     1票 
9  湯舟に聞く雨音かなし地に眠る母の聞いてる音かもしれず         8票
10 門松を外せる寒き夜にして 松がとれるという言葉良き          1票 
11 来たる年耳順迎ふる年女ハチ公さながら聞く耳持たむ  
12 うつし世にとべない鳥は見あたらず人間だけがあきらめてゐる       1票 
13 場違いな自分をいつしか忘れたりオペラグラスに竹原ピストル       1票
14 寒暖をふかく味わうお年玉切手シートと節分の間  
15 若死にの中将姫がつとのぞく鉢水にのびる蓮の葉影に           1票
16 うさぎの名賛成多数で「ゆきちゃん」に忖度はなし収賄もなし       1票
17 皮膚呼吸できぬ火傷のような瞳で子どもをあやすロヒンギャの母      2票 
18 過ぎゆくはまたもひとつの一里塚あせること無しゆるり参ろう  
19 空蟬にひかりを溜めてまた零すやうな願ひを掬ぶ幾たびも         1票
20 歌会用の一首が見つけためでたさは雪降るなかに浮かんだ初日  
21 黄金の光を浴びて市場から戻る小舟を待つ犬がいる            5票
22 こんな僕ではなかつたなどと綴る日の空に耀ふスーパームーン       3票 
23 鰈炊けば生々とした怒り去り母も静かに身をほぐしおり          5票
24 西行の初夢に出で我に問ふ「私は右に行くけど君は?」          1票 
25 <麦わらの一味>は冒険しをるらむ自死をせし子の本棚の中        3票 
26 夕焼けをとじ込めている抽出に亀がなく日はかくれていたい        7票 
27 ひさかたのクラウドに預けたる花を花の写真をかへしてほしい       3票
28 塩飛ばし刀振り回し酒散らしようやく魔の去るリングのお祓い       2票 
29 銅(あかがね)の柿の葉落ちて寒々と友のとほさの見えて来(きた)る日  5票
30 チューバッカのソックス履きたる男あり わが麦わら帽の消えて久しも  
31 生たまご床へと落ちて二秒半〈一時停止〉を神に押されて 割れた     3票
32 おもてうら描いて隠して何処にもないホワイトボードを探してゐます    3票
33 ふくれっ面の餅をなだめて押さえつつ改憲論議を背中に聞きぬ       3票

posted by かりんネット歌会 at 08:03| Comment(2) | 票数・連絡事項
この記事へのコメント
坂井です。今回は、ちょっと辛口に。
1.「赤毛」は事実だが、このあたりにもっと臨場感がほしい。
2.「ならまじ」は、「ならじ」ではだめか?
3.初句弱い
4.キリスト生誕。この通りだが、作者の意図通りには広がらない。3,4句にもう一工夫を。
5.上句のリズム。
6.「十ヶ月」「今年最初」のつながり。事実以上の余韻がない
7.「静かな静かな」、もう一つ広がらない。
8.観念的。「その」は何を指すか?
9.下句「母の聴いてる音かもしれぬ」は常套的。
10.いい歌になりそう。「寒き夜にして」が弱い。
11.「ハチ公」が唐突。理屈で解釈させてはまずい。
12.「見当たらず」は理が勝つ表現。飛ぶのをあきらめている、というのは現象としてはそうだが、夢をもつことという意味では、そうでもない。
13.日常〜非日常へ。言葉ももっと飛躍してよいのでは。
14.「ふかく」は生きているか?
15.中将姫伝説が想起されたのはなぜ? 必然性が見えにくい
16.社会批判。「忖度」だけを強調したほうが良かったかも。
17.「火傷のような瞳」とはどんなもの?
18.冥土の旅の一里塚。あっさりしすぎでは?
19.下句の言葉運び硬い。「幾たび」は広がりに欠ける。
20.「めでたさ」でまとめてよかったか。
21.「小舟」で市場から戻るのは、日本の風景? 象徴詩的な詠風か
22. 概括的。
23.「身をほぐしおり」:鰈をほぐすのと、自分の身をほぐすのをかけているか。色合いと調子が地味だが、気持ちはわかる。
24.「右」の意味?
25. 「ワンピース」と自殺した子の深刻さが本当に釣り合うか?
26. 抽斗と亀は空間的にどうつながるか?(着想が自然ではないかも)。このマイナー指向の心理はわかるが。
27. ひさかたの雲=クラウドは、枕詞の転用としておもしろい。「花を花の写真を」はやや独りよがりな表現。でも、孤独な作者の姿が浮かぶ。
28. 「魔」を出しながら、落ち着きすぎの歌となった。
29.晩秋の孤独感。「とほさ」はわかる。友の個性は見えなくてよいか。
30.若さの喪失。麦わら帽を出すより、スター・ウォーズで統一したほうが良かったかも。
31 下句、現象解釈が観念的。
32 「どこにもない」は甘く、読者が迎えてくれなければ通じない。
33 「ふくれっ面の餅」と「改憲論議」が重なりすぎるとうまくない。なんとなくつながってほしいが。。
Posted by 坂井修一 at 2018年02月12日 01:08
題詠だと初めからそれに対するさまざまな趣向の競い合いなので、読者を歌の心に引き込む手間が少し省けるという側面も。自由題は白紙のところから、読者を作者の情景や世界観につれてこなくてはならないので、いっそうの丁寧さや落ち着きが必要な面があるかも、と思いつつ拝読しました。具体的な場面や題材をいう歌を含め、全体に漠然として、少し早口になった歌が多かったような。

よいと思ったのは次の5首です。
9番 湯船で雨音を聞くという場面の感情がわかりやすいです。「かもしれず」は不要で断定のほうがよかったのでは。その代わり、どんな季節のどんな雨なのか。それを入れることで、地に眠る母により深く繋がれるのでは。
13番 「竹原ピストル」がすぐわかる人にはわかる歌だが、ほぼこの名前だけに頼っている。「場違い」「いつしか」を使わずに、その人の世界がいきなり迫ってくる感じが出たら。
23番 巧み。母といる時の雰囲気がよく出ていると思いました。「生々とした」も生きている。一般的には上句と下句が逆転して出てくることが多いが、そうでないことで滲んだものがある。
25番 〈麦わらの一味〉は言葉そのものとして何となく魅力的で青春性があり、マンガのことを知らなくても雰囲気は伝わる。「自死をせし子」が作者とどういう関係にある人かで深刻さはだいぶ違ってくる。上句を読むとわが子ではないのでは。
29番 「銅の柿」には渋い魅力がある。「見えて来たる」もいい。「寒々と」は言い過ぎでもったいない。
Posted by 米川千嘉子 at 2018年02月12日 17:17
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