2020年10月11日

詠草一覧・選歌案内

令和2年第8回のかりんネット歌会には、33首が寄せられました。
「野」という題のせいか、皆さん、のびのびとしてますね。
それでは、これから次の順で進めさせていただきます。

@選歌投票(10月17日まで):出詠されたeisoのアドレス宛に、@氏名、Aよいと思った歌5首の番号、をお送りください(投票受領の返信は省略させていただきます)。投票結果はコメント前に公表します。
A各歌についてのコメント(10月18〜30日):一気に行います!
B全体的コメント:編集委員、選歌委員のコメント・アドバイス。
C作者名発表:10月31日の予定です。


             詠草一覧(カッコ内は直前の語のふりがなです)

1  愛される野望を抱きカメムシが窓から侵入こころみている
2  秋風が痛点めがけて吹いて来るススキ野原は銀色の海
3  秋の野のレジャーシートのうすあをはもう憚らず羽ばたき始む
4  秋の野をひくく流るる大河なれ蛇行し光るは微笑みに似て
5  鬱然としたる荒野に灯を点しひと待つやうに咲く女郎花
6  馬笑う「山野行楽図屏風」の 上野のお山の蕪村の笑顔
7  海を越えて〈神功〉が来た野を駈けて〈応神〉が来た 民には神か
8  怯えてる野良猫にそっと触れるとき思いだす母の震えし掌
9  狐火が野山をかける あなたにもぼくにも消せぬ熾火のようだ
10 キューピーさん前頭前野に丸めをり荒野と沃野の二十世紀を
11 月面の野を経てひかりやわらかく心のにおい透視しながら
12 恒星の光あまねくふりそそぐ野に棲むものの静かな真昼
13 校庭に野球少年の声ひびくウイズコロナに白の曼殊沙華
14 籠りいる晩夏の部屋にタニワタリ三枚活けて遠き野を呼ぶ
15 サークルが活動自粛のグランドは草野と化して翁往くのみ
16 寒き雨つづくこころの展開図ひろげたし晴れわたる野原に
17 手作りのバットで遊びし草野球「同時セーフ」を知りて忘れず
18 野薊は強(こわ)き葉を持て咲きたるが薄紅藤の花の優しき
19 「野枝しやんのごとなつたらいかん」無文字(むもんじ)の祖母は言ひたりわれ上京の朝
20 野比のび太の怠惰を赦しいし日々の絞め殺しの樹のようなるこころ
21 野良猫を追いし裏路地幼き日現代(いま)に繋げよバイパス道路
22 野良Wi-Fiという言葉があるを知りぬ秋 金木犀はかおり始める
23 春の野を遊ぶクマさん白壁へ描く保育士おひるねタイムに
24 抽斗の手紙とノートを捨てる日のわが内にある風の野宮
25 風貌は野武士に似るといはれたり夫なる男をあらためて見る
26 方形の白線ひかるるアスファルト花野の記憶ふかくうづめつ
27 まづは野菜しかるのち肉食へといふ緩き決まりの喧しいこと
28 見えぬ手に聞こえぬ声にふれたくて野にでてみれば新北風(みーにし)が吹く
29 目にすれば誰もがおゝと声に出すさうありたしと富士のすそ野は
30 野狐禅も及ばぬままにおわることまた定まりて宿酔いに坐す
31 野生種の絶えてしまった人間の森へ帰れる日はいつだろう
32 夕映えの棚田の畦に刈りのこる野菊がゆらぐ泣けとごとくに
33 わろきうさぎ野に放つべし日の光届かぬ洞に潜む二三羽


posted by かりんネット歌会 at 13:58| 詠草一覧