2020年09月11日

詠草一覧・選歌案内

令和2年第7回のかりんネット歌会には、35首が寄せられました。
これだけ「偽」が並ぶと、ちょっと圧迫感がありますね…。
それでは、これから次の順で進めさせていただきます。

@選歌投票(9月17日まで):出詠されたeisoのアドレス宛に、@氏名、Aよいと思った歌5首の番号、をお送りください(投票受領の返信は省略させていただきます)。投票結果はコメント前に公表します。
A各歌についてのコメント(9月18〜29日):一気に行います!
B全体的コメント:編集委員、選歌委員のコメント・アドバイス。
C作者名発表:9月30日の予定です。


             詠草一覧(カッコ内は直前の語のふりがなです)

1  偽りのおのれみせあふ居酒屋にクレモンティーヌがながれてをりぬ
2  偽りはアバンチュールを引き寄せりディスコと食事これだけで終ゆ
3  ほんたうがほんたうでなし人の為となりうるだらう偽りのあり
4  誤りではなく偽りであろうともポテトサラダのほのあたたかさ
5  ここからは偽のサインだ首をふるピッチャーきみの眼が夏の陽だ
6  偽物に成り済ましている本物のフェイクニュースが見分けられない
7  孫われが継ぎたるルビー永遠に真偽は問わじ肌にかがやく
8  偽らぬことこそかたしこの世ではま白き木槿の大輪見つめ
9  自らを偽ることも限界でワンサイズ上のジーンズ試す
10 偽情報とびかふ世なり髪に手に指に残酷なやさしさが染みつく
11 偽りの笑みもろともにきみは消ゆかぶりし仮面いくつも残して
12 偽りの弁明に似てひらひらと垣根を越ゆる黒揚羽かな
13 偽りの衣裳を脱いで歩みよるレオンと真澄の「牧神の午後」
14 期待とか信頼だとか偽瓢虫(てんとうむしだまし)を指にあそばせている
15 四週のピルの最後の四粒は一度も飲まぬましろき偽薬
16 昇汞剤を鎮痛剤と偽りて自殺させしとふ天皇の兵隊
17 よくもまぁぬけぬけと言うどの口が言う人のためと言う偽り
18 もう傷つけない偽物がいいレンタルの家族へ手渡すわたしのマニュアル
19 猛暑にも兵糧攻めにも屈せずば偽薬以上に効く薬欲し
20 海底に膜張る青きブダイのごと今夜は眠らむ偽りまとひ
21 時時は吾を偽るわれとなり溺れるように泣きたくなりぬ
22 聖家族とう偽りを置き去りて大工のおやこは川を渡りぬ
23 みづからのため偽りを立葵かさね重ねて去りゆくひとよ
24 図書室に夕陽差し込みあかあかと禁帯出の『約翰傳(ヨハネ伝)偽書』
25 偽物の夜を過ごした日のありて椰子の葉擦れの音とマイタイ
26 モデルたち氾濫をせるSNS 偽キリストより被害あらずや
27 「痛いのねそう痛いのね」うなづきそおつと偽薬ぬる窓にスズムシ鳴きそむるなり
28 偽ものの恋をしていたその夏は電車に乗れない夢ばかり見て
29 偽りの名にあらねどもミナミニセマグソコガネダマシ中空(なかそら)に生く
30 君となら素のままの我になれると偽りのない返書は今も
31 偽りも嘘も知らざる幼子は歯みがきのときいやいやをする
32 偽物の我の影踏む月曜日ありあけ月に見透かされつつ
33 偽りのことばは真意の化粧かも黙し微笑むだけのくちびる
34 貝煮るは残酷とふわが偽善者へ今宵たつぷりつぐ浅蜊汁
35 かくれんぼする子らの横偽りの足音軽く帰宅したりき


posted by かりんネット歌会 at 12:19| 詠草一覧